ひそやかな花 その眼差しに揺らされて 1

ひそやかな花 その眼差しに揺らされて 1

潤んだ眼差しに、心が揺れる。浮かんだ思いは、同情にも、憐憫にも似て…。北の街で今、切ないまでに濃密な関係が始まる。

そんな目で縋られたら、抱かずにいられない――。亡き父から引き継いだギャラリーを営む傍ら、日舞の師範をしている27歳の詩緒。ある雨の日、彼女の家の庇で雨宿りをしていた建築士の眞野総一郎と知り合った詩緒は、雨が止むまでと家の中に招き入れる。趣味の写真撮影の途中だったという総一郎に写真を見せてもらううちに、詩緒は彼に興味を抱く。やがて二人は、お互いの心に“人には言えない想い人”がいることを知り、孤独を埋めるように体を重ねていく。美しい文章で紡がれる大人のラブストーリー。

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