漉き紙に咲く

漉き紙に咲く

でも、今日は堪らなく汚したい。あんたの大切なものを、全部奪いたいんだ。

人里離れた古民家に工房を開き、ひとり手漉き和紙職人として働く葵のもとに、スランプに悩む日本画家・沖家が訪ねてくる。自身も1度は絵を志したが、途中で諦め別の道に進んでいた葵は、容赦ない批評を彼に浴びせるが、それが逆に沖家を刺激することになり…。「あんたは、真っ白な人間だよ。俺なんかから見たら、眩しくてしょうがないくらいだ。」寒さにかじかむ手をすりあわせ、息を白くしながら100号の和紙が漉き上がったとき、葵はその前にぺたりと正座すると、絵のモデルのように姿勢を伸ばし沖家を見つめた…。本作品は2011年12月1日発行「白の秘密」に収録された作品を分冊したものです。

作品情報

  • レーベル
    らぶドロップス
  • 著者
  • イラスト
  • 配信日
    2012.05.31
  • 価格
    300円(税抜)
  • ジャンル
    恋愛小説

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